この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城

戦火の中、王族である私たちは、城の最上階――石造りの塔へと避難していた。
冷たい石の床に、怯えきった弟と妹が膝を抱えてうずくまっている。
まだ幼いふたりは、現実を理解しきれていない。ただ震えて、私の顔を見上げてくるだけ。
「大丈夫。必ず守るわ。」
私はそう言って、ふたりの小さな手を握った。
指先がかすかに震えるのを、無理に抑え込む。
兄弟に不安を悟られてはならない。私は王女。父王の血を継ぐ者なのだから。
「リュシア姫……!」
慌てた声が階段の上から響いた。老いた家臣――爺やが駆け込んでくる。
「敵国の兵が、塔の入り口に迫っております!時間が、もう……!」
私はすぐさま塔の窓に駆け寄り、外を見下ろした。
冷たい石の床に、怯えきった弟と妹が膝を抱えてうずくまっている。
まだ幼いふたりは、現実を理解しきれていない。ただ震えて、私の顔を見上げてくるだけ。
「大丈夫。必ず守るわ。」
私はそう言って、ふたりの小さな手を握った。
指先がかすかに震えるのを、無理に抑え込む。
兄弟に不安を悟られてはならない。私は王女。父王の血を継ぐ者なのだから。
「リュシア姫……!」
慌てた声が階段の上から響いた。老いた家臣――爺やが駆け込んでくる。
「敵国の兵が、塔の入り口に迫っております!時間が、もう……!」
私はすぐさま塔の窓に駆け寄り、外を見下ろした。

