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純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城

そして彼の腕が、私の腰をそっと抱き寄せた。
「兄上の命令は絶対だ。我慢しろ。」
囁かれたその声は、低く、震えていた。
その震えが、怒りなのか、欲情なのか、私は分からなかった。
だが、次の瞬間――
彼の唇が、私の唇にそっと触れた。
「……っ」
一瞬だけ触れただけ。
だがそのキスは、カイルの冷たい支配とはまるで違っていた。
優しく、切なく、まるで壊れ物に触れるような……熱を帯びた口づけ。
「ふぁ……」
思わず、唇の隙間から、情けない吐息が漏れてしまった。
自分の声に驚いた。
感じてしまった自分に、戸惑った。
体の奥がかすかに疼いた。
たった一度の、ただの口づけだったのに――
なのに、どうして。どうして、ゼノのキスにだけ……。
「兄上の命令は絶対だ。我慢しろ。」
囁かれたその声は、低く、震えていた。
その震えが、怒りなのか、欲情なのか、私は分からなかった。
だが、次の瞬間――
彼の唇が、私の唇にそっと触れた。
「……っ」
一瞬だけ触れただけ。
だがそのキスは、カイルの冷たい支配とはまるで違っていた。
優しく、切なく、まるで壊れ物に触れるような……熱を帯びた口づけ。
「ふぁ……」
思わず、唇の隙間から、情けない吐息が漏れてしまった。
自分の声に驚いた。
感じてしまった自分に、戸惑った。
体の奥がかすかに疼いた。
たった一度の、ただの口づけだったのに――
なのに、どうして。どうして、ゼノのキスにだけ……。

