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純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城

幼い妹がすすり泣く声が聞こえた。弟は黙って、私の裾を掴んでいた。
私はふたりをそっと抱きしめ、唇に微笑を浮かべる。
「大丈夫。怖がらなくていいのよ。きっとまた会えるわ。」
それが、真実である保証などなかった。
それでも、私は言わねばならなかった。
最後の王族として、姫として。
「さあ、早く!」
私はふたりの背を押し、爺やに命じる。
「この子たちを頼みます。」
爺やは、何も言わずに深く頭を垂れた。
そしてふたりを抱きかかえるようにして階下へと走っていく。
扉が閉まった音が、やけに大きく響いた。
再びひとりになった塔の空間に、私は静かに立ち尽くす。
背筋を伸ばし、剣も持たぬまま、正面の扉を見つめた。
私はふたりをそっと抱きしめ、唇に微笑を浮かべる。
「大丈夫。怖がらなくていいのよ。きっとまた会えるわ。」
それが、真実である保証などなかった。
それでも、私は言わねばならなかった。
最後の王族として、姫として。
「さあ、早く!」
私はふたりの背を押し、爺やに命じる。
「この子たちを頼みます。」
爺やは、何も言わずに深く頭を垂れた。
そしてふたりを抱きかかえるようにして階下へと走っていく。
扉が閉まった音が、やけに大きく響いた。
再びひとりになった塔の空間に、私は静かに立ち尽くす。
背筋を伸ばし、剣も持たぬまま、正面の扉を見つめた。

