この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第13章 一気呵成のカタルシス
「アキくんって、もしかしてすごく鈍感?」

「へ?」

楓は少し笑いを堪えるようにしながら、話し始める。

「これは女の目線というか、多分『愛すべき肉塊』を読んだ人はみんな思ってると思うけど…葵ちゃん、全然嫌がってないと思う。むしろノリノリ。じゃなきゃ写真撮らせてくれたり、ココちゃんを助けてくれたからって夜に公園に行ったりしないって。私は裕樹くんより、葵ちゃんの方がムッツリスケベだと思うなぁ。」

楓は肩を震わせながら、裕樹にそう言った。

「え…?葵ちゃんはあの時もすごく不機嫌そうというか、嫌々な感じだったのに?」

楓はグラスの縁をそっと指でなぞり、ううん、と落ち着いた声で言った。

「それはきっと"嫌"とかじゃなくて…きっと心と体がちぐはぐだったんじゃないかな。思春期特有の矛盾ね。頭では『こんなの間違ってる』って思うのに、体はもうエッチなことを期待しちゃってる。自分でも行動と思考が一致してない。それが、裕樹くんから見たら"不機嫌そう"に見えたんじゃない?」

「心と体が、一致してない…。」

「そう。私も若いころ、同じようなことがあったの。心では否定しながら、体は求めちゃう。だから"あなたに従っている"という形にするの。葵ちゃんも、きっとそうだと思うなぁ。今ならもう、自分の欲望に正直になってるだろうし、あの日の夜もきっと忘れられない思い出になってる。」

裕樹はしばらく黙り込んだあと、小さく息を吐いた。

「…でも、嫌じゃないなら、どうして葵ちゃんはその後、連絡を取らなくなったんだろう?」

楓はグラスを持ち直し、静かに答えた。

「それはね、多分…心が追いつかなかったから。体は大人になったのに、心はまだ子供のままだった。だから自分の中で整理できなくて、距離を置いたんだと思う。…思春期の女の子って、そういう矛盾を抱えるものなのよ。アキくんは罪悪感を抱えてるかもしれないけど、葵ちゃんも共犯者だったってこと。」
/119ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ