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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第18章 混り合う澱のひとしずく
裕樹が腕までたくし上げられた服を着直そうとした時、トートバッグを片手に車の外に回ったナツが助手席のドアを開けた。

「もう服は着なくて良いんじゃない?」

ナツは見透かしたような笑みを浮かべ、左手を差し出した。

「え、このまま外に出るってこと?」

「そう。誰も来ないし、いいでしょ?風も気持ちいいよ?」

「いや……そうは言っても……」

「いいから、来て。」

そう言ってナツは裕樹を引っ張り上げるように手を引いた。

(ああ……荷物が……。)

視界の端に映る、後部座席のボストンバッグとナツのカバン。

車から出る直前に、助手席脇のコンビニのレジ袋を咄嗟に掴む。

靴だけ履いた裕樹の身体は、ぬるい夜気に晒された。

服を身につけずに外にいると、風が少し当たるだけでひりつくような感覚になる。

「裸で歩くのはさすがにやばいって……!」

「大丈夫、ここ私たち以外の人は誰もいないから。」

ナツは裕樹の抵抗を聞き流すようにして、スマートフォンを耳に当てた。

静かな夜にプププという発信音が微かに響く。

「あ、もしもし?ごめん今着いた。」

手は繋いだまま。

けれどナツの意識は、既に電話の相手に向いていた。

裕樹をこの場に繋ぎ止めているのは、その指先だけだった。

やがてぼんやりと照らされたエントランスポーチに入ると、ナツの手は裕樹から離れていった。

「右の方にある?」

電話口の指示に従うように、ナツは裕樹から離れて隅へ歩いていく。

しばらくしてナツはしゃがみ込み、電話の向こうに何かを話している。

一人取り残された裕樹は、あたりを見渡した。

この場所はナツの言う通り、誰かが住んでいたり、人が来たりするような気配は一切なかった。

ナツがほんの少し離れただけなのに、裕樹の胸はそわそわしていた。

守ってくれる物陰もなければ、庇ってくれるナツも少し離れている。

身を隠さなければ、という思いに反して、裕樹の下腹部には熱がこもっていく。

「あ、見つけた。」

そう言って、ナツはおもむろに立ち上がった。

その右手には、小さな鍵が握られていた。

ナツは電話の相手に相槌を打ちながら、裕樹を見つめてくる。

頭から足のつま先まで、舐めるように視線が動く。

まるで心のざわつきを見透かしているようだった。
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