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堕ちる一家
第3章 こんな朝其の2

私四ノ宮華夜の朝は早い。
午前4時起床。
炊飯器を仕込んでから出された洗濯物を仕分けして洗濯機に入れる。
5時。
新聞配達のオートバイの音を聞きながら家族4人分の朝食とは別に陽子のお弁当を作る。
今日の朝食は炊きたてご飯に塩鮭、焼き海苔御御御付け。
なんの変哲もないスタンダードな日本の朝食をテーブルに三膳お盆に一膳用意してお盆を奥の部屋に運ぶ。
一番奥まった部屋のドアをノックする。
「お義兄さん、華夜です。朝御飯お持ちしました。」
「はいよ。」
眠たげな声と共にドアが開く。
出て来たのは私の亡夫義司の3つ上の兄仁司さん。
細身でインテリ風だった夫と違い180cm96kgの巨漢。体重の殆どが鍛えられた筋肉だ。
「お義兄さんも一緒に食べませんか?」
「ありがとう。でも遠慮しとくよ。」
いつもの会話を交わして盆を手に部屋に入る義兄の背中に溜息をつく。
夫を病で亡くして途方に暮れる私達3人母娘に救いの手を差し出してくれたのがお義兄さん仁司さんだった。
行き届かない炊事洗濯掃除をする対価に家賃光熱費食費タダで四ノ宮本家に間借りさせてもらえるという好条件。山間のド田舎という事が難点だが生活させてもらえる事を考えれば些細な事と一も二もなく話に乗った。
電車はおろかまともな本数のバスすら通わない僻地。
転校せずに学校に通うには毎朝1時間以上かけて車での送り迎えが必要になる事が不満で陽子も月子も引っ越しをゴネていたがそこは親の権限で無理を押し通した。
それで臍を曲げた2人が取った手が「無視」だった。
お義兄さんが何を言ってこようが無視。
何をしてもらっても無視。
段々居た為れなくなってお義兄さんは部屋に引きこもる様になった。
ここはお義兄さんの家で私達は居候。
とても居候に許される態度ではないと何度も諭すのだが暖簾に腕押し糠に可豆腐にかすがい。
頭が痛い。
朝食を取り終えお義兄さん運転の車で無言登校する娘達を見送ってからの2時間。
皿洗に掃除、洗濯物干しと家事をこなす。
お義兄さん帰宅予定の30分前に全てを終えるとシャワーを浴び汚れを落とす。
三面鏡の前で髪を梳り首筋をアピールするように肩甲骨まである黒髪を纏め団子にする。
全体に薄化粧を施すが口紅だけは深紅のを差す。
うん。
完璧。
最後の仕上げをした頃聞こえてくる独特のエンジン音。
パタパタパタパタ
玄関に急ぐ。
午前4時起床。
炊飯器を仕込んでから出された洗濯物を仕分けして洗濯機に入れる。
5時。
新聞配達のオートバイの音を聞きながら家族4人分の朝食とは別に陽子のお弁当を作る。
今日の朝食は炊きたてご飯に塩鮭、焼き海苔御御御付け。
なんの変哲もないスタンダードな日本の朝食をテーブルに三膳お盆に一膳用意してお盆を奥の部屋に運ぶ。
一番奥まった部屋のドアをノックする。
「お義兄さん、華夜です。朝御飯お持ちしました。」
「はいよ。」
眠たげな声と共にドアが開く。
出て来たのは私の亡夫義司の3つ上の兄仁司さん。
細身でインテリ風だった夫と違い180cm96kgの巨漢。体重の殆どが鍛えられた筋肉だ。
「お義兄さんも一緒に食べませんか?」
「ありがとう。でも遠慮しとくよ。」
いつもの会話を交わして盆を手に部屋に入る義兄の背中に溜息をつく。
夫を病で亡くして途方に暮れる私達3人母娘に救いの手を差し出してくれたのがお義兄さん仁司さんだった。
行き届かない炊事洗濯掃除をする対価に家賃光熱費食費タダで四ノ宮本家に間借りさせてもらえるという好条件。山間のド田舎という事が難点だが生活させてもらえる事を考えれば些細な事と一も二もなく話に乗った。
電車はおろかまともな本数のバスすら通わない僻地。
転校せずに学校に通うには毎朝1時間以上かけて車での送り迎えが必要になる事が不満で陽子も月子も引っ越しをゴネていたがそこは親の権限で無理を押し通した。
それで臍を曲げた2人が取った手が「無視」だった。
お義兄さんが何を言ってこようが無視。
何をしてもらっても無視。
段々居た為れなくなってお義兄さんは部屋に引きこもる様になった。
ここはお義兄さんの家で私達は居候。
とても居候に許される態度ではないと何度も諭すのだが暖簾に腕押し糠に可豆腐にかすがい。
頭が痛い。
朝食を取り終えお義兄さん運転の車で無言登校する娘達を見送ってからの2時間。
皿洗に掃除、洗濯物干しと家事をこなす。
お義兄さん帰宅予定の30分前に全てを終えるとシャワーを浴び汚れを落とす。
三面鏡の前で髪を梳り首筋をアピールするように肩甲骨まである黒髪を纏め団子にする。
全体に薄化粧を施すが口紅だけは深紅のを差す。
うん。
完璧。
最後の仕上げをした頃聞こえてくる独特のエンジン音。
パタパタパタパタ
玄関に急ぐ。

