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池袋ウエストゲート・ラブホテル〜追われる美女の事情(わけ)
第2章 追われる女

この美女は娼婦だ。おそらく、さっきの男と、金の問題とかで揉めたのだろう。
今日、ラブホ街に来た目的は取材のためだ。女を抱くつもりはなかった。まあ、こんな成り行きも取材の一環と言えなくもない。
……もしもだ。ラブホの出口で怖いお兄さんが待ち構えていたとしても、フリーランスの作家である俺を脅すネタにはならない。会社組織に属していない今の俺には、失うはずの社会的地位も名誉も無いからだ。独身だから、淫行を暴かれて失う家庭も持っていない……。
そんな諸々の可能性に頭を巡らしつつ、己の好奇心と男としての当然の欲求を天秤にかけた。
「きみの名前は? 僕は神岡だ。神岡真司という」
「わたしはミカ。美しいに華と書いてミカ」
「それじゃあ……行こうか」
ミカと名乗った女の肩をそっと抱き、ラブホの入り口へ。自動ドアが開くと、しんとした薄暗いエントランスホールだ。左に、部屋を選ぶ大型のタッチパネルがあった。迷わず一番高い部屋を選んだ。その一部始終をミカは黙って見ていた。
今日、ラブホ街に来た目的は取材のためだ。女を抱くつもりはなかった。まあ、こんな成り行きも取材の一環と言えなくもない。
……もしもだ。ラブホの出口で怖いお兄さんが待ち構えていたとしても、フリーランスの作家である俺を脅すネタにはならない。会社組織に属していない今の俺には、失うはずの社会的地位も名誉も無いからだ。独身だから、淫行を暴かれて失う家庭も持っていない……。
そんな諸々の可能性に頭を巡らしつつ、己の好奇心と男としての当然の欲求を天秤にかけた。
「きみの名前は? 僕は神岡だ。神岡真司という」
「わたしはミカ。美しいに華と書いてミカ」
「それじゃあ……行こうか」
ミカと名乗った女の肩をそっと抱き、ラブホの入り口へ。自動ドアが開くと、しんとした薄暗いエントランスホールだ。左に、部屋を選ぶ大型のタッチパネルがあった。迷わず一番高い部屋を選んだ。その一部始終をミカは黙って見ていた。

