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池袋ウエストゲート・ラブホテル〜追われる美女の事情(わけ)
第3章 美しき娼婦の誘惑
 手狭なエレベーターで三階へ上がる。三階の廊下も狭い。306のナンバーが明滅している。ドアを開けてやり、ミカを先に、後から部屋に入る。

 一番高い部屋でも、都心から離れた郊外のラブホに比べたら雲泥の差だ。とにかく狭い。と言ってもベッドと風呂だけはそれなりに広い。

「シャワーはどうします? 先に行く?」

 肩にかけていたバッグをソファに置いた女が、その隣にストンと座った。慣れている感じだ。

「神岡さんがシャワーに行っているあいだに逃げたりしないから。それとも一緒に入る?」
「その前にミカさんに聞きたいことがあるんだ」
「なに?」

 言いながらピアスを外した。

 ジャケットを脱いでから、女の横に腰を下ろす。

「さっきミカさんは、あの男を契約者と呼んでから、変な男と言い直した」
「そうだっけ。もしかして神岡さんて警察の人?」
「いいや。違うよ」

 向けられた警戒の眼差しへ、作家であること、ここのホテル街にはタウン誌に書くコラムの取材のために来たと説明する。

「へえ。作家さんかぁ」
「そうだ。だから心配しなくてもいい」
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