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第1章 変わりゆく街で

　東京の繁華街のなかで、新宿や渋谷に比べたら今ひとつ垢抜けないイメージがあった池袋も、徐々に様変わりしつつある。かつて池袋の顔であった西武百貨店は、人々の嗜好や価値観の変遷により衰退、すでに大型デパートという営業形態が今の時代に合わないのだ。とはいえ、長年のライバルであった東武百貨店は健闘しているのだから、運営企業の戦略に問題があったのは明白だ。

　西武百貨店と同じく、池袋駅の東口エリアのジュンク堂書店も令和七年七月で閉店。都内の数少ない大型書店がまた一つ減った。出版不況によるものだろうから、池袋の街なみの変化とは関係が薄いだろうが。

　老朽化した手狭な豊島区役所は、行政と民間企業の共同で建設プランが進められた高層ビルの低層階へ、二〇一五年七月に移転した。階段状になったビルの外壁を樹木などの植物で緑化した外観は、今の時代のエコやＳＤＧｓの考え方にマッチしており、お役所という固定観念を払拭するものだ。池袋の街のイメージアップに確実に貢献している。ちなみに解体された旧庁舎の跡地にはテナントが入ったモダンなオフィスビルが建っている。