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池袋ウエストゲート・ラブホテル〜追われる美女の事情(わけ)
第7章 別れのとき
「すごかった。すごく良かった」

 次の客との約束があるからと、てきぱきと身支度やメイクを整えたミカが、別れ際に、神岡にしなだれかかり、光る目でささやいた。

「そうかい。それは良かった」
 
 苦笑いを返す。

「神岡さん。うまいんだもの。わたしと本当に契約しない?」
「いや。いいよ」
「安くしておくけど」
「ありがたいが、やめておくよ」
「そっか」

 残念そうな表情は本気に見えた。

「神岡さんのエッチは優しいよ。契約者さんは仕方がないかもしれないけど、こっちのことなんかぜんぜん考えていないから」
「うん。そうだろうね」
「中で出してもいいって言ったのに、ゴムを付けるし」
「それはまあ……」

 それはまあ、いろいろあるからだ。

「今日は……感じちゃった」
「そうかい。良かったよ」

 自分も金でミカを買ったのだ、とは言わないでおく。

「もしも気が変わったらここへ連絡ちょうだい」
 
 差し出された白いカードを受け取る。小さなフォントでこう印字されていた。

 美華
 090-23XX-84XX
 LINE mika-XXXXX
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