この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕の愛する未亡人
第11章 僕の愛する未亡人
理央は人目を避けながら、佳織の肩をそっと支えた。

「……電車乗れないですよね? タクシーで家まで送ろうと思ったけど……家帰るの嫌なら……僕の家でもいい?」

佳織は返事をしようとして、言葉が出なかった。喉が詰まり、涙の跡が頬に残っている。
それでも理央の袖を小さく掴むと、力なく頷いた。
駅を出ると、夜風が肌を刺した。秋の夜気が思いのほか冷たかった。
タクシーに乗り、理央のアパートに着くまでのあいだ、ほとんど言葉はなかった。
スカートの中まで触れられていたことに、佳織を傷つけた男への怒りと、同時にこみ上げる得体の知れない嫉妬。
それが自分の中にあると気づいた瞬間、理央は息が詰まった。
自分が以前、佳織を布団の中に引き込んだことを思い出す。
抱きしめて、キスをして、肌に触れた。――その男と自分の、何が違うのか。

「シャワー……浴びたいですか、それとも……あったかいもの飲む?」

家に着くなり、理央は部屋の電気をつけて尋ねる。

「シャワー……がいい」

ぽつりと佳織が呟く。先週、彼女が置いていった下着と、部屋にかかっているTシャツや、スエットを急いで渡した。
佳織は邪魔そうにジャケットを脱ぐと、ユニットバスへ消えていく。
理央はジャケットを拾い上げて、ハンガーにかけると、ため息をついた。
先程あんなことがあったのに、彼女の匂いがふわりと漂うこのジャケットに触れただけで、胸の高鳴りが収まらない。


(僕、だめじゃん)


シャワーの音がかすかに聞こえる。罪悪感と焦燥、そして抑えきれない昂ぶりが入り混じり、どうしようもない気持ちが胸に押し寄せた。
一旦頭を冷やそうと、理央は食事や佳織の日用品を買い込むために外へ出た。


*

部屋に戻ると、佳織が座布団の上に体育座りで蹲っている。

「すみません、食べ物とかなくて……あと、本間さんの歯ブラシとか、クレンジングとか……使うかなと思って。ココアとか、飲みますか? それともお酒が良ければ、ビールも……」

「ありがとう……歯ブラシ、使ってもいい…? さっき吐いちゃったんだ」

「嘘……」

テーブルの上に薬局のロゴの入ったレジ袋を置いたと同時に、理央は声を出した。
手が震えつつ、袋の中から歯ブラシを取り出して、手渡した。
ユニットバスに向かった佳織をちらりと横目に見たあと、湯を沸かし、ココアを入れる。
/150ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ