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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第22章 ふたつの愛をただ一身に注がれて……。




「澪、なんって初々しいんだっ!! 可愛いっ!」
 カシャ、カシャ。
 お父さんは携帯を構えて、あたかも写真家のように撮影をしているわけで……。


「…………」

 ……えっと……?
 この状況って――。


 あたしは今、唯斗さんの寝室にあるベッドの前にてバスタオルを身体に巻きつけた状態で為す術なく立ち尽くしていた。

 ――うん、あのね。
 順を追って説明すると、こうだ。
 事の始まりは唯斗さんがあたしを抱いたことをお父さんに打ち明けたところから。
 唯斗さんとの仲を認める代わりに、あたしが唯斗さんに抱かれているところを見せるという条件で許可をもらったんだ。
 それから、一度身体を綺麗にしておきたいと二人を説得して、お風呂に入らせてもらい、今に至る。

 お父さんの前で唯斗さんに抱かれるとか、本来なら有り得ない。

 父親に性行為を見られるとか嫌だし、何よりすっごく恥ずかしい。
 できるなら逃げたかった――けど……。

 まだまだ子供なあたしが唯斗さんとの仲を認めてもらうにはこうするしかないわけで……。


 時間稼ぎをすればするほど現実逃避をしたくなる。
 だから思いきってお風呂から出てきた。
 髪の毛はドライヤーで乾かした。ほんの少しまだ湿っているけれど、これくらいならきっとシーツは濡れないかな。
 重たい足取りで洗面所を出た――のはいいんだけど……。


 今現在、カメラの被写体攻撃を受けているこの現状。


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