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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第28章 エンゲージリング
「唯斗さんとお別れしなきゃ、いけないのに……」
「澪ちゃん、婚約について話しているのにどうしてそうなるの……」
唯斗さんが優しい声音で話してくれるけれど、もうムリ。
涙で視界が滲んでいく……。
「澪ちゃん、愛しているよ。兄さんとも約束しただろう? 澪ちゃんを裏切るような真似はしない」
しゃくりをあげて泣き出すあたしの背中を擦りながら、唯斗さんは尚も続けた。
「大学を卒業したら、マリッジリングを用意するからね、もう逃れられないよ?」
――違う。
逃れられないのはあたしじゃなくて唯斗さんの方。
唯斗さんがあたしっていう蟻地獄に雁字搦めになって動けなくなるの。
「あたし、唯斗さんを縛りたくない……」
静かに首を振れば、唯斗さんはあたしの左手を包みながら、頭のてっぺんに唇を落とした。
「縛られるつもりはないよ、俺は俺の意思でこうしているだけだ、君以上に愛する存在を見つけることは不可能なんだよ」
……唯斗さん。
あたしも、あたしの方が唯斗さんを好きな気持ちが強い。
「あたしも、唯斗さんを愛してます」
ずびずび鼻を鳴らしながら告白する。
そうしたら、唯斗さんはクツクツ笑った。
鼻水を流しながらの告白なんて絵にもならない。
だけど嬉しすぎて死にそうだ。
このまま溶けてなくなってもいい。
ちゅ。
今度はほっぺたに唇を落とされた。
力強い腕が背中に回る。
「澪ちゃん、婚約について話しているのにどうしてそうなるの……」
唯斗さんが優しい声音で話してくれるけれど、もうムリ。
涙で視界が滲んでいく……。
「澪ちゃん、愛しているよ。兄さんとも約束しただろう? 澪ちゃんを裏切るような真似はしない」
しゃくりをあげて泣き出すあたしの背中を擦りながら、唯斗さんは尚も続けた。
「大学を卒業したら、マリッジリングを用意するからね、もう逃れられないよ?」
――違う。
逃れられないのはあたしじゃなくて唯斗さんの方。
唯斗さんがあたしっていう蟻地獄に雁字搦めになって動けなくなるの。
「あたし、唯斗さんを縛りたくない……」
静かに首を振れば、唯斗さんはあたしの左手を包みながら、頭のてっぺんに唇を落とした。
「縛られるつもりはないよ、俺は俺の意思でこうしているだけだ、君以上に愛する存在を見つけることは不可能なんだよ」
……唯斗さん。
あたしも、あたしの方が唯斗さんを好きな気持ちが強い。
「あたしも、唯斗さんを愛してます」
ずびずび鼻を鳴らしながら告白する。
そうしたら、唯斗さんはクツクツ笑った。
鼻水を流しながらの告白なんて絵にもならない。
だけど嬉しすぎて死にそうだ。
このまま溶けてなくなってもいい。
ちゅ。
今度はほっぺたに唇を落とされた。
力強い腕が背中に回る。

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