• テキストサイズ
無敵に近い男
第1章 無敵、なのか……?
(無敵、なのか……?)
 先ほど、自分が創った薬を飲んでみた。いわゆる無敵になれる薬だ。

 ただし、もちろん効力があるかは分からない。副作用も、あるかもしれない。それでも彼は、今まで独学で磨いてきた技術を信じ込み、それを口に入れた。

 味は普通だ。まあ、薬は苦いのが当たり前なので普通と言えるのか分からないが。
 ただ、しかし外見は何も変わりなかった。やはり独学ニセ医者の創った薬なんてダメなのか。

 そう思って立ち上がろうとした瞬間、急に立ち眩みがして倒れてしまった。
 実は最近、あまり眠れていないのだ。「死」という恐怖に立ち向かうのが怖くて。

 ただ奇跡と言っていいだろうか、幸いなことに怪我はなく、それどころか痛みも全く感じなかった。

 彼は驚きつつも、偶然であった可能性を考慮し、もう一度、倒れ込んでみた。
 やはり痛みは感じない。というより、まるで自分から痛みという感覚が無くなってしまったようだ。

 彼は大いに喜んだ。
 無敵になれたことが証明でき、自分で創った薬が初めて成功したからだ。

(これからは、もうなにも恐れる必要は無い)
 実は長年「死」を恐れ、引きこもっていた彼だが、この日は違った。

 彼は外へ、足を踏み入れだしたのだ。


 新しい彼の、はじまりだ。
/3ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ