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無敵に近い男
第2章 無敵になった!

「…………」
彼は、初めて来たかのように、きょろきょろと見回していた。
何せ外に出たのは15年ほど前。そんなに前の記憶は彼になかったし、例え覚えていたとしても街の景観は変わっていただろう。
だから懐かしいとは思えなかった。
さて、とりあえず行けるところまで行ってみよう。
この街は昔から大きかった。だから彼は、いま歩いている場所だけでなく他の場所も見てみたいと思ったのだ。
「あ…………」
しばらく歩いていると、見覚えあるような城が見えてきた。周囲の家々を下に見るような、大きな城だ。
ただ彼が驚いたのは、その大きさではない。
ここで何かをしていたような気がする。
ただ、何をしていたのかは覚えていない。
何とか思い出そうと立ち止まっていると、城の門から騎士のような者が一人、出てきた。
「あっ!! レオポルド!!」
その騎士は一瞬にして自分に気づき大声を出した。
周囲の人は勿論、自分でさえ、その声に驚いてしまった。
「な、なぜ俺の名を……!」
「見れば分かるさ、15年の月日が流れたからといって、我々が忘れる訳ないだろう!!」
そう言って、その騎士は彼を城の中へ入れようとした。
しかし彼は入ろうとしなかった。
「やめろっ! なぜ一般市民の俺が入らなければならないんだ!!」
「まだ、とぼけるつもりか!! 甲冑を捨て逃走しただろう!!」
その言葉に彼は、はっとなる。
(そうだ……俺は……)
彼は、初めて来たかのように、きょろきょろと見回していた。
何せ外に出たのは15年ほど前。そんなに前の記憶は彼になかったし、例え覚えていたとしても街の景観は変わっていただろう。
だから懐かしいとは思えなかった。
さて、とりあえず行けるところまで行ってみよう。
この街は昔から大きかった。だから彼は、いま歩いている場所だけでなく他の場所も見てみたいと思ったのだ。
「あ…………」
しばらく歩いていると、見覚えあるような城が見えてきた。周囲の家々を下に見るような、大きな城だ。
ただ彼が驚いたのは、その大きさではない。
ここで何かをしていたような気がする。
ただ、何をしていたのかは覚えていない。
何とか思い出そうと立ち止まっていると、城の門から騎士のような者が一人、出てきた。
「あっ!! レオポルド!!」
その騎士は一瞬にして自分に気づき大声を出した。
周囲の人は勿論、自分でさえ、その声に驚いてしまった。
「な、なぜ俺の名を……!」
「見れば分かるさ、15年の月日が流れたからといって、我々が忘れる訳ないだろう!!」
そう言って、その騎士は彼を城の中へ入れようとした。
しかし彼は入ろうとしなかった。
「やめろっ! なぜ一般市民の俺が入らなければならないんだ!!」
「まだ、とぼけるつもりか!! 甲冑を捨て逃走しただろう!!」
その言葉に彼は、はっとなる。
(そうだ……俺は……)

