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銀狼
第6章 獣の愛




「‥‥は ぁ‥ッ…」


「……ふっ…」



・・・・チュッ‥



不意に、唇が離れた。



赤く潤んだセレナの瞳を

銀狼が覗きこむ。




「愛してやろうか……。
 剣(ツルギ)のような…──獣の愛で」




まるで、洞穴の天井からポトリポトリと滴り落ちる水玉のように


一音、一音をゆっくりと…男はセレナに囁いた。









.....





「──…っ」



獣の愛──



「…何…を、言っているの……?」


「──…」



切れ長の目が、彼女を試すように妖しく見つめてきた。


──人離れしたその、美しい眼。




「……!? 」



動揺して泳ぐセレナのブルーの瞳に

口角を上げてふわりと笑った銀狼の顔が映りこむ。



そして男の、グレーの瞳が…。




「───」




セレナの身体から

徐々に力が失われていった。





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