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銀狼
第8章 雨(アマ)の鎮魂歌

口の中に蕩けるような甘味…

それと一緒に、酷い渋味が広がった。


“ …っ…何かしら ”


──その原因はすぐに判明する。果皮だ。

気付いたセレナは皮をするすると剥いてしまうと中の果肉だけにかじりついた。



「…うん、美味しいわ」


苦もなく剥ける皮の渋味が嘘のようだ。

少し甘すぎる気もするが、その甘さが一口食べるごとに身体の疲れを中和していく。

口の内側から癒されていく…。

ご満悦のセレナは樹木の根元、窪みに身を潜めて腰を下ろした。


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