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One Night LOVE
第1章 ココア
「は……!」
この空間があまりにも居心地がよく
自分がボーっと過ごしていたことに気が付いた。
まだ雨は止んでいないが30分ぐらい無言で過ごしてしまった。
「すみません。長居して。私、帰ります」
「まだ、雨止んでいないから大丈夫ですよ。
それに、このお店は長居してもらうお店ですし」
「え…?」
「うちはあえて看板を出していないお店で。
それは、このお店を見つけた人にゆっくりと過ごしてほしいからなんです。
日常を忘れて、疲れを癒してほしくて」
「そう…なんですね。だから、居心地がいいんだ……え……」
頭が急にクラクラし始めて、そのまま目の前が真っ暗になってしまった。
彼が何か話しているのが聞こえるから返事をしたいけど
あまりにも落ち着いた心地のいい低音ボイスをもっと聞きたいと思って…
私は動かずに過ごした。
どのくらい時が経ったか分からないけど
ゆっくりと目を開けると、目の前は白くて何だか分からない。
「ん……」
少しづつ視界が冴えてきて、白だけでなく、肌色も見えてきた。
頭は少し動かせるが、体はまだ怠くて動かせないでいる。
「起きましたか?」
さっきまでぼんやりと聞こえていた低音ボイスが
頭の上から聞こえてきた。
顔を上げると、彼は眼鏡をかけていて片手に本を持っている。
そして、私は…彼の上で寝そべっている状態だった。
「え?あの、どうしてこんな状況に…」
目が覚めた時に見えた肌色は、彼の胸板だった。
私をどうやら、ブランケットで包んでくれたようで、温かい。
「いきなり倒れて驚いて…でもよく見たら寝ていて。
このお店の2階は俺の家なんですよ」
「ごめんなさい。寝不足だったので…」
「まだ服が濡れていて寒そうに震えていたから、温めたほうがいいかなって」
「ありがとうございます…でも、私こそ濡らしてしまいましたね」
頭もまだ濡れていたため、彼のシャツを濡らしてしまっていた。
私はゆっくりと彼の体から離れるが、彼にまたがったままの状態で、
彼の顔をじっくりと眺める。
電灯はついていなくて、暖炉の火の優しい灯りだけ。
優しく微笑む彼の目の横には、笑い皺ができている。
私は笑い皺が好き。
その人の人生が刻まれている気がするからだ。
この空間があまりにも居心地がよく
自分がボーっと過ごしていたことに気が付いた。
まだ雨は止んでいないが30分ぐらい無言で過ごしてしまった。
「すみません。長居して。私、帰ります」
「まだ、雨止んでいないから大丈夫ですよ。
それに、このお店は長居してもらうお店ですし」
「え…?」
「うちはあえて看板を出していないお店で。
それは、このお店を見つけた人にゆっくりと過ごしてほしいからなんです。
日常を忘れて、疲れを癒してほしくて」
「そう…なんですね。だから、居心地がいいんだ……え……」
頭が急にクラクラし始めて、そのまま目の前が真っ暗になってしまった。
彼が何か話しているのが聞こえるから返事をしたいけど
あまりにも落ち着いた心地のいい低音ボイスをもっと聞きたいと思って…
私は動かずに過ごした。
どのくらい時が経ったか分からないけど
ゆっくりと目を開けると、目の前は白くて何だか分からない。
「ん……」
少しづつ視界が冴えてきて、白だけでなく、肌色も見えてきた。
頭は少し動かせるが、体はまだ怠くて動かせないでいる。
「起きましたか?」
さっきまでぼんやりと聞こえていた低音ボイスが
頭の上から聞こえてきた。
顔を上げると、彼は眼鏡をかけていて片手に本を持っている。
そして、私は…彼の上で寝そべっている状態だった。
「え?あの、どうしてこんな状況に…」
目が覚めた時に見えた肌色は、彼の胸板だった。
私をどうやら、ブランケットで包んでくれたようで、温かい。
「いきなり倒れて驚いて…でもよく見たら寝ていて。
このお店の2階は俺の家なんですよ」
「ごめんなさい。寝不足だったので…」
「まだ服が濡れていて寒そうに震えていたから、温めたほうがいいかなって」
「ありがとうございます…でも、私こそ濡らしてしまいましたね」
頭もまだ濡れていたため、彼のシャツを濡らしてしまっていた。
私はゆっくりと彼の体から離れるが、彼にまたがったままの状態で、
彼の顔をじっくりと眺める。
電灯はついていなくて、暖炉の火の優しい灯りだけ。
優しく微笑む彼の目の横には、笑い皺ができている。
私は笑い皺が好き。
その人の人生が刻まれている気がするからだ。

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