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防音室で先輩に襲われて…
第6章 そういう涙は興奮しない


「──…今の君がとるべき行動がわかったかい?誰を頼るべきか理解できた?」

「……!」


(わたしじゃあここを守れないの?)

(先輩に、たくされたのに。上坂先輩がひとりで守りぬいて、わたしに託してくれた場所なのに──)


「…上坂……せん……ぱい……!」

「──…」

「わたしが…っ…駄目だから、……こんな だから……守れ ないの……1?」

「……ハァ」


 乃ノ花が上坂先輩を思い出して涙を流すと、椎名の目つきが険しくなった。


「君のそういう涙は興奮しないんだ。……好きじゃない」


 苛立たしげに、長い脚を組み直す。


「──…泣くな」

「…ッ…?」


『もっと泣けよ』と言ったり『泣くな』と言ったり……椎名の言動は理解不能だ。


「……ッ (ビクッ)」


 そして何故か彼女は椎名に、鋭い目で睨まれていた。



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