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防音室で先輩に襲われて…
第2章 親切で優しい生徒会長
──…
(そういえば…結局いちども連絡できてない)
完全下校の時間が近付き、放送室にひとりきりの女子生徒
辻 乃ノ花 ( ツジ ノノハ )。
機材に囲まれた小さな部屋で、これから行く塾の予習をしながら、ふた月前の先輩の卒業式を思い出していた。
兄のように慕っていた先輩だった。
(上坂先輩がわたしのことをどう思ってたかは知らないけど……)
(今はもう、わたしのことなんて忘れちゃってるかもしれないけど…)
乃ノ花は、上坂のことを忘れられない。
1年の夏という微妙な時期に転校してきた乃ノ花が、友達もできず寂しい思いをしていたあの頃──校内放送で流れる優しい声がふと気になって…思わず覗いた放送室で上坂先輩と出会った。
クラスで居場所がないなら、ここに来ればいい
上坂の優しさが乃ノ花を救ったのだ。
(上坂先輩が卒業してまたわたしひとりになっちゃったけど、今は寂しがってる場合じゃない。わたしにはここを守る使命があるんだから)

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