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防音室で先輩に襲われて…
第2章 親切で優しい生徒会長

(こんなふうに時々、放送室にも顔を出してくれるんだよね……。忙しいはずなのに、素敵な人だなぁ)

「何を考えてるのかな?」

「な// なにも!なにも考えてません……」

「そぉ?」

「はい!──あ、もうそろそろ下校のアナウンスなので、その」

「OK、静かにしておくよ」

「すみません」

 それから乃ノ花は時計の針を確認し、下校の音楽を流し、マイクの電源を入れた。

「下校時間になりました。校舎に残っている生徒の皆さんは…──」

 ゆったりと…はっきりとした声になるよう意識して、下校アナウンスをおこなう乃ノ花。



「お仕事ご苦労さま」

 マイクの電源を切ったのを確認して、椎名が椅子から立ち上がる。

「じゃあ俺たちも帰ろうか?途中まで一緒に……」

「あ、わたしこの後すぐ塾に行くのでっ…走らないと間に合わないので、失礼します!」

「そうなんだ」

「先輩っ、さようなら」

 時間がないのは本当らしく、慌ただしく塾の教材をカバンに閉まった彼女は…

 それでもちゃんと、律儀にお辞儀をして去っていく。



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