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二泊三日の陵辱/浅山知代、十八歳
第2章 二人目の陵辱者
 もし坂巻の要求を断ったらどうなるか。気弱そうに見える坂巻が本当に会社に報告するかどうかは分からない。

 だが、されてしまった場合。

 坂巻と同じようなことを考える男性社員がいるかもしれない。権田とそしてまだ何も始まっていないとはいえ坂巻。二人の男から立て続けに性被害にあっている知代はどうしてもそう考えてしまう。

 見逃す代わりに体を差し出せ。そう言われてしまうかもしれない。現に今坂巻にそれをされようとしている。会社の男性社員だってそう考えたって不思議ではない。報告が上がった時点できっと淫乱な少女だと誤解されてしまうだろう。そんな誤解をされてしまえばきっとまた犯される。しかも権田や坂巻と違って会社の人間とは長い付き合いをしなければならない。
 いやもっと悪いのは履歴書を提出してしまっていることだ。住所も電話番号もメールアドレスも知られている。

 さすがにそれを悪用されたりはしないだろうが、性欲に逸る男の行動は時に度を超えて過激になるのは昨夜から身をもって実感している。

 せめて被害を最小限に。

 知代は悲痛な決意を迫られる。

「では、どうしましょうか?」

 坂巻が緩やかに追い込んでくる。知代から誘われた。そんな形にしたいのだろう。

 つまり、自分から言い出せと。それがまた知代を汚す。

「あの…」

 分かっていても言葉が出ない。このまま逃げ出したい。

「む、胸…」

 こくり。小さく喉を鳴らしたのは、知代か坂巻か。

「…を、見せます…から、言わないで下さい…」
「見せるだけですか?」

 くっと知代は唇を噛む。

 昨日、家を出る前にしっかり荷物の確認をしておけば。そうすればこんなことにはならなかったのに。

「胸…だけなら…が、我慢しますから…胸だけ、なら…」
「我慢なんですか。嫌ならいいんですよ」

 目頭が熱くなる。涙が細い瞳に溜まる。勇気を出しても途切れ途切れにしか紡げなかった言葉は男の制欲にあっさり弾き返された。

「胸を…触って下さい。お願いします…」

 昨夜と今朝に引き続いての二人目の男からの陵辱は、知代の消え入りそうな声から始まった。
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