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助教 沙霧
第17章 崩壊の序曲
「……瀬川、先生?」
不意に、すぐ横で名前を呼ばれた。
顔を上げると、そこには佐藤が立っていた。昨日の研究会での異変を、まだ気にしていたのだろう。彼の瞳には純粋な心配と、それ以上に隠しきれない情欲の色が混じっていた。
「顔色が、真っ白ですよ。どこか、空いている教室で休みませんか。僕が、付き添いますから」
佐藤の手が、沙霧の肩に触れようとした。
その瞬間、彼女の内側で何かが決定的に「壊れた」。
異物の圧迫。誉への隷属。そして、目の前の未熟な男からの卑俗な視線。
「……触らないで」
沙霧の声は、自分でも驚くほど低く、掠れていた。
それは拒絶の言葉でありながら、同時に、誰かに自分を強引に暴いてほしいという、剥き出しの誘惑を孕んでいた。
彼女は佐藤の横をすり抜け、出口へと向かった。
足取りは覚束ないが、その瞳には、かつてないほどの狂気的な光が宿っていた。
崩壊の序曲は終わった。
これから始まるのは、もはや誰にも止められない、彼女の「真実」への墜落だった。
不意に、すぐ横で名前を呼ばれた。
顔を上げると、そこには佐藤が立っていた。昨日の研究会での異変を、まだ気にしていたのだろう。彼の瞳には純粋な心配と、それ以上に隠しきれない情欲の色が混じっていた。
「顔色が、真っ白ですよ。どこか、空いている教室で休みませんか。僕が、付き添いますから」
佐藤の手が、沙霧の肩に触れようとした。
その瞬間、彼女の内側で何かが決定的に「壊れた」。
異物の圧迫。誉への隷属。そして、目の前の未熟な男からの卑俗な視線。
「……触らないで」
沙霧の声は、自分でも驚くほど低く、掠れていた。
それは拒絶の言葉でありながら、同時に、誰かに自分を強引に暴いてほしいという、剥き出しの誘惑を孕んでいた。
彼女は佐藤の横をすり抜け、出口へと向かった。
足取りは覚束ないが、その瞳には、かつてないほどの狂気的な光が宿っていた。
崩壊の序曲は終わった。
これから始まるのは、もはや誰にも止められない、彼女の「真実」への墜落だった。

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