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第12章 大人の一歩

ねっとりと絡ませた舌が離れて行く。

「…じゃあね、佳奈。」

「うん！また明日、」

トシ君に手を振り返しながら私は家に入った。

付き合い始めて３カ月が経った。

手を繋いだだけでドキドキしていた頃から進歩して、今では帰りのキスなんて当たり前くらいに思える。

「ただいま〜」

「おかえり〜」

いつもの日常。

莉奈とは相変わらず仲がいいし、トシ君ともラブラブだし。

不満なんか…ないはず。

「マナ何の雑誌よんでるの？」

「ファッション雑誌。見たらわかるじゃん。」

リビングのソファで寝転びながら雑誌を読んでいる妹のマナがこちらを見ずにいった。