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センセイと課外授業
第12章 大人の一歩

トシ君とは深いキスをするようになったとはいえ、そういう行為には全然触れてこなかった。

しかし一度、トシ君の部屋で少し斜め隣で勉強をしていた時…

『あっ…』

手が当たり、トシ君の方に消しゴムが飛んでいってしまった。

『佳奈、飛ばし過ぎ〜』

『ごめん〜!』

クスクス笑いながらトシ君が手を伸ばそうとする。

同時に私もトシ君の方へ体ごと手を伸ばしたけれど届かず、彼の方が先に消しゴムを取ってしまった。

そして…

『はい、これ…』

『ありが…』

こちらに顔をむけたトシ君と目があう。

体ごと寄っていったせいでトシ君との顔の距離が近い。

いますぐにでも顔をずらせばキスできる距離だった。
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