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センセイと課外授業
第14章 平穏と雑音

その時、ようやく見えた彼女の整った顔になぜだか心臓が掴まれたような気分になった。

「綺麗な人…」

「え?あ、そうだね。お似合いって感じだね。」

明日学校で冷やかしてやろー、と隣で笑ってるトシくんの言葉がなんとなく遠くで聞こえた。

出発した車を見送ると、ちょうど店員がメニューを持ってきた。

「並んでる間に注文してだって。かな、イチゴのやつがいいってゆってたよね?…かな?」

「…うん。」

「どうした?」

「な、なんでもないっ!」

慌ててメニューを覗き込む私を怪訝そうに見ながら、トシくんが首を傾げた。

なんでもない。

(先生あの人…彼女なのかな…?)

なんでもない。
センセイに彼女がいるかなんて、私には関係のないことだからーー
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