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スパイ少女は奴隷になる
第5章 テニス部の3人
 テニス部の部室に入ると、並んだロッカーの脇、古びたソファの上に嶺二様と他3人の部員の方々がいました。
 1人目は金髪で筋肉質な太一くん、2人目は少し小太りで人のよさそうな笑顔の二郎くん、3人目は長身で眼鏡をかけている三井くんです。部室に入った私は太一くんに手招きされて、カーペットの上に俯きながら正座をします。

「前会った時は男の子って設定だったよね?全然そうは見えなかったけど笑」
「は、はい……」

 私のすぐ隣に座った太一くんは覗き込むようにして私に質問をします。それに答えると今度は二郎くんがカップを持ってやってきました。

「はい、美柑ちゃん。飲み物。喉乾いたでしょ?」
「え?あ、は、はい……あの、ありがとうございます……」
「うん、ちゃんとお礼できて良い子だね。さあ、飲んで」

 私は思いもよらぬほど優しい対応に少し油断して――と言うのも私の神経は連日の緊張にすり減り切っていたのです、それに一日飲み物も飲んでいなくて喉がひどく乾いていました――差し出されたものをそのまま飲み干します。清涼感のある味に、僅かな苦味、それがスポーツウォーターだとわかります。異変が起きたのは飲み干した直後でした。急に心拍が速くなり、脱力感を感じます。

「あ、あぁ、なに……こ、れ……」
「あはは、素直だなぁ美柑ちゃん。こんな簡単に引っかかるなんてさ笑」

 騙された……?その一言が浮かび、それ以上に恐怖で涙が込み上げてきます。でも、逃げようにも身体に力が入りません。

「ぐすっ、やだぁ、怖い……」
「大丈夫、大丈夫、毒とかじゃないからね」

 そんな言葉は慰めにもなりません。私は皆様の捕食者のような瞳から逃れるように、少し離れたソファに座って、じっと見つめている嶺二様に助けを求めます。

「た、助けて、ください……、嶺二様っ」

 しかし、帰ってきた答えは無慈悲でした。

「美柑、お前はテニス部の3人にも絶対服従だ」

 それを聞いた私は一瞬、思考停止して止まってしまいます。しかし、呆然としていると、頬を張られました。
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