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スパイ少女は奴隷になる
第9章 狂騒のあとに
 目を覚ますと、時刻は22時半で、私はあのまま床で眠ってしまっていたようです。しばらく、乾いてこびりついた小便の臭いに耐えながら部屋で待っていると背後から嶺二様の声が聞こえて、私は慌てて声のする方へ這って向かいます。

 「小便臭いな。風呂に行くぞ」

 嶺二様は私の頭に顔を近づけてそう言うと、首輪のリードを引いて歩き始めました。寝起きで体がうまく動きませんが、首輪を強く引っ張られて、首が絞まらないように嶺二様の後ろに四つん這いで続くほかありませんでした。地肌に触れる廊下のフローリングはとても冷たくて、嫌な臭いをさせて顔に張り付く髪と共に私をとても惨めな気分にさせます。
 四つん這いのまま、たどり着いたのは見慣れた浴室でした。嶺二様は私の目の前で服を脱いで、その端正な体を露わにします。嶺二様は尻込みする私を引いて、浴室に入りました。そして、床に座っている私に向けてシャワーヘッドからお湯が浴びせられます。心地よい暖かさとともに汚れが洗い落とされていき、シャンプーを掬った嶺二様の手が伸びてきました。反射的に肩を跳ねさせて、目を瞑ってしまいます。

 「あ、あの……、汚いです。……だから自分で……」
 「黙って洗われろ」

 嶺二様は私の頭をコツンと叩いて洗髪を続けます。はじめは緊張していたのですが、ちょうどいい力加減が気持ち良くてリラックスし始め、体から力が抜けて、トロンっとした顔になってしまいます。すると、嶺二様は洗顔料を無造作に手につけて、今度は私の顔を揉みくちゃに洗い始めます。

 「んぶぅ……、んん……。んぶっ……」

 泡が口へ入らないようにしていた私ですが、すぐに頭からシャワーが浴びせられて、泡を流されます。さらに嶺二様は丁寧に私の髪にトリートメントをすると、櫛で髪一本一本に行き渡らせてから流してくれました。おかげでベタベタで嫌な臭いがした私の髪は、すっかりサラサラで良い匂いがします。
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