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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第38章 父の日の余韻と、意地悪な愛~二人の甘い月曜日~ 昼編
<彩香SIDE>

彩香は誰もいない休憩室の隅で、スマホを両手でぎゅっと握りしめていた。

健治さんの低い声が聞こえた瞬間、胸がぎゅっと締め付けられた。

「……健治さん……」

彩香は震える声で、ようやく言葉を絞り出した。

「なんで……会議で、あんな意地悪したんですか……?
恥ずかしすぎます……本当に……もう、顔が熱くて……」

電話の向こうで、健治さんが低くくすりと笑う気配がした。


「ふっ……彩香が素直で可愛すぎるからだ」


その声は渋く、包容力がありながらも、はっきりと意地悪さが混ざっていた。


「お前が一生懸命平静を装おうとして、耳まで赤くなって耐えてる顔が想像できて……
つい、からかいたくなった。
仕事中なのに、俺のことばかり考えてくれているのが、たまらないんだ」


彩香は耳まで真っ赤になり、スマホを握る手に力を込めた。


「それに……一緒に進める仕事も決まってよかったじゃないか。
俺は嬉しいぞ。これで、公式に彩香のことをたっぷりフォローできる。
……深く、しっかりとな」


意味深な響きに、彩香の脳裏に今までの数々の甘い記憶がまた蘇った。


「……け、健治さん……」


彩香は顔を真っ赤にしたまま、恥ずかしさで声が上ずる。

しかし、心の奥底では嬉しい気持ちが確かにあった。

その気持ちに抗えず、彩香は小さく、震える声で同意してしまった。


「……一緒に……できて……嬉しいです……
でも……意地悪は……もう少し控えてください……」


電話の向こうで、健治さんが満足げに低く笑った。

「約束はできないな。お前が可愛いから、どうしても……」

彩香は休憩室のテーブルに額をくっつけ、耳まで赤くしながら小さく身をよじった。

(……もう……本当に、意地悪……でも……嬉しい……)
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