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Dilemma
第2章 【過去一好きだった元カレ】
それからと言うもの、顔を合わせる日が続き、
可愛い後輩ちゃんは目を輝かせ
神倉くんの嫉妬にも火がついていく
夜遅くに家に来た神倉くん
お互いスーツではないラフな姿
「どうしたの?」と聞いた瞬間に
玄関先で押し倒された
わかってたよ、こんな展開になる事
キミは大人しく待てるタイプじゃないから
「何で話してくれないの?俺とはまだ、お試し期間だから?」
「話すって…もしかして上原さんの事?」
「はい、知り合いなんでしょ?でも、お互い意識しててぎこち無いし、黙ったままだと余計に悪く考えちゃうんで」
「うん……じゃあ、今夜ではっきりさせに来たんだ?」
「……もしかしてわざと放置してました?」
「まさか、そんな悪い趣味はないよ、本当に何ともないから言う必要もなかっただけで」
「本当に?向こうはそんな感じしなかったけど?」
「ん?詰問する為に来たの?」
「違います……お試し期間だったとしても、成瀬瑞希は俺のだって伝えに来ました」
あぁ、この顔、またさせちゃったね
悪いのは私?それとも彼自身?
首の後ろに手を回してあげる
まだOKしてないよ、とキスしそうな唇を避けた
待て、を食らった顔
私、こんな顔が好きだったんだ、彼の
「意地悪しないでください」
「だって勝手に疑ってたんでしょ?」
「自信…ないから、こうやって会いに来て泣き叫ぶしか出来ないんです、俺」
「仕事の時と大違いね」
「仕事だったら努力で何とか出来る……でも成瀬さんの気持ちだけはすぐわかんなくなります」
ふぅー、と一息ついて鼻の頭だけくっつける
そんなに好きなんだ?私の事
何でも器用に熟すシゴデキ後輩だと思っていた彼が
今は私の“待て”が解禁されるのを待っている
お試し期間って、名だけでそんなの無いに等しい
私もきっと、心を許し始めている
「成瀬さん、モテ過ぎっすよ」と小さく呟く
子犬のような目で見つめ返してくる
知りたい?私の気持ち
でもわかるでしょ?
キミには伝わってないのかな?

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