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ほしいままに
第13章 私はこの緊縛から逃れたい(森川澪奈)✩
あの人がくれるのは、愛であるはずなのに、私は時にあの人が、憎くてたまらない。
疲れ果てた体をベッドに投げ出した。
窓から降り注ぐいやに眩しい月明かりを、腕で遮って目をとじる。
何かを考えるには、疲れすぎている。
いや、考えるのが怖くて、毎晩こうして、わざと疲れ果てているのかもしれなかった。
あの人が私を愛してくれているのは分かっている。
でも私の体は、あの人のものじゃない。
私の体は、私のもの。誰かが傷つけていいものではない。自由にしていいものでは、決してない───。
私は常にそれを自分に言い聞かせるために、あの人に抱かれた肌の記憶を、他人の感触で上書きしている。
こんな毎日を私は、延々と続けるつもりなのだろうか。
~第12章 私はこの緊縛から逃れたい 終~

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