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ポケットベル
第4章 昔の時間
それから数日

真斗と加奈は、ポケベルで少しずつ話すようになった。

学校では、まだ長く話せない。

でも、

廊下ですれ違えば、

「おはよう」

それだけは言えるようになった。



昼休み

加奈が友達と笑っている。

その姿を見ていると、

真斗は不思議な気持ちになった。

自分は四十五歳まで生きた。

仕事をして、

家族を持って、

いろいろな人と出会った。

楽しいこともあった。

つらいこともあった。

でも、

この瞬間だけは、、、

十五歳の自分に戻っている。



ある日の放課後

加奈が聞いた。

「乾くんって、将来何になりたいの?」

「……分からない」

「サッカー選手?」

「無理だよ」

「じゃあ?」

真斗は少し考えた。

「人の役に立つ仕事かな」

本当の自分を知っているからこそ、

その言葉は自然に出た。

加奈は頷いた。

「なんか、乾くんらしいね」

「俺らしい?」

「うん」

その言葉が、、、

なぜか胸に残った。

帰宅してから、

ポケベルが鳴った。

「キョウハハナセテヨカッタ カナ」

真斗は画面を見つめた。

そして返信した。

「オレモ カナ」

送信。。

昔なら、

ここで終わっていた。

でも今は違う。

真斗は思った。

この時間は、、、

もう一度だけ与えられた時間なのかもしれない。



なら、、、

今度は、、、

逃げたくない。
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