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ポケットベル
第3章 話したことのない二人
放課後ーー
真斗はサッカー部の練習に向かった。
グラウンドを走る。
ボールを蹴る。
声を出す。
身体は十六歳。
疲れているはずなのに、妙に軽い。
練習が終わる。
帰宅すると、すぐにポケベルを確認した。
何もない。
当然だった。
真斗は机に座った。
昔なら、
ここで加奈にメッセージを送る。
でも、
今日は迷った。
四十五歳の自分なら、何を話すだろう。
「ヒサシブリ」
そんなわけにはいかない。
向こうからすれば、昨日も会っている。
真斗は笑った。
そして文字を打った。
「キョウモツカレタネ マサト」
送信。
しばらく待つ。
やがて、、、
ポケベルが鳴った。
「オツカレサマ カナ」
それだけ。
でも、、、
胸が熱くなった。
昔と同じ文字。
昔と同じ短い返事。
なのに、、、
今は、その一文字一文字が特別だった。
翌日ーー
教室で加奈を見た。
友達と話している。
笑っている。
真斗は思った。
自分は、この子のことを何も知らない。
好きな音楽も。
好きな食べ物も。
将来の夢も。
何も。
それなのに、
なぜか気になってしまう。
放課後。
廊下で加奈とすれ違った。
真斗は立ち止まりかけた。
「加奈……」
声が出た。
加奈が振り返る。
「……なに?」
二人が初めて言葉を交わした。
「いや……その……」
真斗は言葉に詰まった。
加奈が少し笑った。
「ポケベルでは、普通に話してるのにね」
真斗は驚いた。
そして、、、
二人で笑った。
ほんの数秒。
それだけだった。
でも、、、
あの日から、、、
学校でも、少しずつ目が合うようになった。
真斗はサッカー部の練習に向かった。
グラウンドを走る。
ボールを蹴る。
声を出す。
身体は十六歳。
疲れているはずなのに、妙に軽い。
練習が終わる。
帰宅すると、すぐにポケベルを確認した。
何もない。
当然だった。
真斗は机に座った。
昔なら、
ここで加奈にメッセージを送る。
でも、
今日は迷った。
四十五歳の自分なら、何を話すだろう。
「ヒサシブリ」
そんなわけにはいかない。
向こうからすれば、昨日も会っている。
真斗は笑った。
そして文字を打った。
「キョウモツカレタネ マサト」
送信。
しばらく待つ。
やがて、、、
ポケベルが鳴った。
「オツカレサマ カナ」
それだけ。
でも、、、
胸が熱くなった。
昔と同じ文字。
昔と同じ短い返事。
なのに、、、
今は、その一文字一文字が特別だった。
翌日ーー
教室で加奈を見た。
友達と話している。
笑っている。
真斗は思った。
自分は、この子のことを何も知らない。
好きな音楽も。
好きな食べ物も。
将来の夢も。
何も。
それなのに、
なぜか気になってしまう。
放課後。
廊下で加奈とすれ違った。
真斗は立ち止まりかけた。
「加奈……」
声が出た。
加奈が振り返る。
「……なに?」
二人が初めて言葉を交わした。
「いや……その……」
真斗は言葉に詰まった。
加奈が少し笑った。
「ポケベルでは、普通に話してるのにね」
真斗は驚いた。
そして、、、
二人で笑った。
ほんの数秒。
それだけだった。
でも、、、
あの日から、、、
学校でも、少しずつ目が合うようになった。

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