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不倫王の憂鬱
第4章 家庭忘却の女達
古井千春に会った日から、もう8年位の月日が経過した。

出会った頃の千春はまだ25歳。バツイチ…仕事はデリヘル、趣味はパチンコだった。


人の紹介で会ったが、なかなかの美形で少しだけ肉付きのいいサラサラヘアな可愛い女だ。

笑い上戸な千春は彼の一言一言に

「う~け~る」

を連発する。

肌は餅肌でオチョボ口。カラオケに行けば聞いてるだけだが、身体を触ると彼のマイクを離さない。

妙に相性のいい女だが、一つだけ問題もある。


彼はその問題点を見ないふりして今まで関係を続けてきている。

詳細には触れないが子供がいる事と、筋者の情婦である事だ。

彼はそれに無関心を装っていた。


千春は彼と出会った頃にデリヘル嬢だった事は先刻の通りだが、特別に性技が長けていたわけではなく極普通だ。

では何故彼が長い年月を千春と関係していたか。

肌の相性、互いの干渉の無い関係、感覚的な融合…

それが二人を長きにわたり不倫関係にさせた物だ。
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