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第4章 家庭忘却の女達

彼が出張で秋田市に行った時に出会った。

「スナックらら」のチィママ、信枝だ。

秋田美人らしく真っ白な肌で少しふっくらした女性だった。

彼より五つ年下で、公務員の旦那もいた。

志穂美 悦子にそっくりだと彼は第一印象で思った。

カウンターに座り信枝と話に盛り上がる。

彼は嫁の愚痴、信枝は旦那を愚痴る。

「ちょっとさ、聞いてくれるぅ？うちのダメ亭主はさ、お酒弱いくせによく飲んで帰宅するのよ。したらさ、旦那は台所とかで普通にオシッコするのよ、おかしいでしょ？」

「まじ？毎回？」

「毎回ではないけど頻繁に、場所構わず。」

「へぇ、でさ、誰が始末すんの？」

「私しかいないでしょ、かわいそうじゃない？」

「かなり、同情しちゃうなあ」

するとカウンター反対側から彼の横に座る信枝。