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私なりの復讐
第7章 第七章  浮遊
銀色に光るメスはゆっくりと背中を開いていく。

 さしずめ魚を3枚おろししていくのと被る。

切れのいいメスはぱっくりと背中の皮膚を滑り骨と内臓が見えてくる。

少し赤く染まった骨は何だか小豆色のハンペンみたいだ。

肋骨が露わになる。

その内側にある内臓・・・。

胃や膵臓・心臓・肺・・・。

細かい部分まで映像は移動してくる。

小刻みに振動を続けているのが心臓だろう。

深紅の筋肉の塊はまるで大きな生きたアメーバの様だ。

彼は多分もう絶命している。

脳が絶命しているのだ・・・。


だが、内臓はまだ血液の循環をしようと必死に動いているようだ。

これはもうすぐ内臓も絶命する瞬間の映像なのだ。

メスで胃を開く・・・。

胃液が溢れて椅子の下に滴り落ちる。

その液体をホフホフ言いながらあの犬が舐めている。

あいつの体液や身体の一部はあのピットブルとかいう犬種の犬が体内に入れ込んでいる。

犬以下のあいつ・・・そういう図式が成り立つところが面白い・・・。


内臓を一つ一つメスで切り刻み犬の餌にしている。

あの犬は人間の味を覚えてしまったようだ。

心臓ももう動いていない。

完全なる絶命。

望んだ事だが、こうなるとかなりのエクスタシーだ。

私の脳裏には王ちゃんへの感謝しかなく、あいつの屍を警察で拝めた事への配慮も嬉しかった。

このまま死体が出ない時は私の復讐は完結しないだろう。

しかし、王ちゃんは復讐にピリオドを打つためにしっかりとしたエンディングを行使した。
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