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第8章 第八章　　露呈

ガタゴトという振動と時折揺れる何かの中で私は少しずつ意識を取り戻していた。


　叫んでも死期が早くなるだけだ・・・。

冷静に考えなくては・・・。


私は王ちゃんに復讐してもらいそれだけで満足だった筈。

なのに私は今、何かに閉じ込められている。


時折聞こえる排気音みたいな音から察するに、車のトランクに違いない。


しかも身体の重力や振動からすると峠道をうねっているようだ。

私は何処か山奥に埋められるのか・・・

そんなネガティブな事を想像しながらもがくが、身体はまだ動いてこない。


意識だけが次第にハッキリとしてきただけ。


このまま私はどうなるのだろう・・・。


私はもう死ぬだけの運命なのか・・・。


復讐を依頼した時からのエンディングがこれなのか・・・。


それともルールに反した行為に対する王ちゃんの制裁か。


「ううううぅぅぅワン」

あのピットブルの鳴き声が後部座席からする。

同じような責め苦を味わうのかもしれない・・・。


あいつへの報復が自分へのレクイエムになるとは・・・。


車が停まった・・・。


人が二人歩いて後ろに来る。


トランクを開けられた・・・。


シューー・・・


何かの麻酔スプレーのようだ・・・。



私はまた消えゆく意識の中で最後に見覚えのある人物を見た・・・。



それは・・・・


それは・・・


あの優しい旦那だった・・・


　　　　　　　　　Fin