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第1章 サービス残業

ガラケーへと




（ガラパゴス諸島のごとくイグアナしか


居ない、空虚な、何も意味を持たない



携帯電話。）




悪戯メールを転送していたのは結美の義理の





姉・万里子だった。




結美が構築した学校内部での、




職員達との肉体関係を持った事が、






名実共に多くの味方をつけた。





真の実力者となりうる地位を築いたことに、




義姉・万里子は無力に等しい人に成ってしまう。



それを畏れて義妹を脅威に思わずに、




居られずにいたようだ。






結美の義姉となってから、




可愛さ余って憎さ百倍、




レズ虐待を強要し続けた。







虐げてきた義姉・万里子は、



その義妹のバックボーンが、






今度は自分が脅かされていくのを、






稚拙なやり方で媚びているつもりらしい。





メール有り


【久し振りです…。まさか、貴女があの専門学校へ通学していたとは、




私には知りませんでした。】








結美は、万里子からのメールを読み返し、





ガラケーのメルアドを観た。






返信をしないつもりが、






ＲＥ：井上万里子様宛て






【何か用？メルアドをどうやって調べたのですか？】








つい、ガラケーからメールの返しをしてしまった。






ＲＥ：夕咲結美さま







【美術専門学校の職員・井上万里子として…







生徒資料を引き継ぐ形で目を通しました。】









ＲＥ：井上万里子様宛て



【湯沢先生ですか？貴方は？】






井上万里子は、職員室のパソコンの前のディスクで、







湯沢正三をジロッと横目で見た。





残業手当てをくれるので、





伊佐子や新人・上田亜佐美の仕事を押し付けられたのだ。