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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第7章 麻由子~夫の浮気相手、その夫
「毎日、こんな風に寝て暮らしていらっしゃるのかしら」

そうつぶやきながら、麻由子はふとテレビの周辺を見つめた。

そこには何枚かのDVDが積まれていた。

女の裸の写真が包むそのDVDケースがいったい何か、麻由子には勿論理解できた。

そんなDVDを一人、昼間からこの暗い室内で見ているのだ・・・・。

「不潔ですわ・・・・」

麻由子は目の前の男を軽蔑するように、冷たく見つめた。

男はしばらく沈黙した後、そっと顔をあげて言った。

「昨年、ストレスで病気になりましてね。それでリストラされました」

「・・・・・・」

「何も好きでこんな生活をしているわけではないんです」

「・・・・・・」

「私だって、一刻も早く、社会復帰がしたい」

無精ひげが目立つ男の瞳は、僅かに光っていた。

それは、どういうわけか、ひどく澄んだ輝きに見えた。

麻由子は、見てはいけないものを見てしまったような気がした。

「ごめんなさい・・・・・・・・」

「いえ、いいんです」

そして、二人の会話は途絶えた。

麻由子はこれ以上、彼に何を言うべきか、わからなくなった。

「また出直してきます」

そういうと、麻由子は立ち上がった。

「妻には私からもよく言って聞かせます」

「お願いします」

玄関で靴を履く麻由子の背後から、男が尋ねた。

「失礼ですが?」

彼が名前を聞いていることに気付き、麻由子は前を見たままそっと言った。

「奥様に聞いてください。それとも、どの男の奥様が文句を言いに来たのかわからないほどに、遊びまくっているのかしら」

そのような言葉を彼に言うべきではない。

激しく後悔しながら、麻由子はドアを開けた。

そのとき、再び相沢の声がかかった。

「奥さん」

「えっ?」

「あんなものよりも、勿論生身のほうがいいに決まってます」

「・・・・・・・」

振り返った麻由子は、彼の姿の背後にあるその風景を再び見つめた。

高く積み上げられたDVDケースが、麻由子に男の言葉の意味を伝えた。

「失礼します」

ドアを閉めた麻由子は、足早にそこを去った。

歩くほどに、麻由子は鼓動を高め、息苦しさを感じた。
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