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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第3章 悦子~町内会慰安旅行での出来事
マイクロバスが目指す温泉地に着いたのは午後3時を過ぎた頃だった。

途中、紅葉で有名な行楽地に立ち寄り、一行のムードは既に盛り上がっている。

いくつもの旅館が並ぶ、人気の温泉地。

彼らの宿泊先は、大きなホテルタイプの宿だった。

「皆さん、では、夕食までに温泉をゆっくり楽しんでくださ~い」

結局はこの旅行を仕切る役回りは、水上悦子以外には誰もいなかった。

宿泊客で賑わうロビーで、悦子は皆にそう案内した。

「悦子さん、食事は何時からなの?」

「6時開始の予定です。えっと、3階の林泉の間ってとこを借りてます」

「お酒はあるんだろうねえ」

複数の男性参加者がからかうようにそう聞く。

「それは勿論。皆さん、それがお目当てでしょう」

悦子の言葉に、一同から笑いが漏れる。

各自、部屋に向かうとき、悦子に声をかける男性がいた。

「いやあ、お疲れさん、悦子さん」

「加藤さん、どうも。いろいろと、活動ではお世話になりました」

インテリア会社を経営する40代後半の彼は、町内会の活動にも積極的に顔を出した。

社長らしく気さくで、朗らかなタイプだった。

「いやいや、こちらこそ、悦子さんがいなかったらと思うと、ねえ」

「あら、そうですか?」

「ねえ、悦子さん。ところで、ちょっと相談なんだけどね」

「何でしょう?」

悦子の袖をひっぱり、一行から距離を置いた加藤が、ささやきかける。

「ここの温泉って、確か混浴もあるんだろう?」

「はあ。それが、何か?」

にたにたと笑う加藤の顔を見つめながら、悦子が何かを察したように言う。

「加藤さ~ん。ふふふっ、ダメですよ」

「何が?」

「あいにく、私は混浴なんて入りませんからね」

加藤の魂胆を見透かしているように、悦子が笑みを浮かべる。
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