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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第19章 亜依子~新婚旅行での出来事
「ようやく、だね」

「うん」

出発ゲートに向かう駅通路で、亜依子は夫、哲也をまぶしそうに見つめた。

二人が結婚してもう半年が経つ。

共に29歳の二人は、結婚の1年ほど前に友人の紹介で知り合った。

会社のプロジェクトの関係で、結婚後も地方にずっと出張していた夫、哲也。

夫婦での新生活を始めることもできず、亜依子は相変わらず実家暮らしだ。

だが、先月夫の仕事も一段落し、どうにか休みが取れる見込みになった。

結婚前から計画していた米国東海岸での10日間のハネムーン。

それが今日、ようやく実現できるのだ。

自分が人妻になった実感も湧かないほど、亜依子は寂しさを感じていた。

結婚後、ほとんど夫と会ってもいないのだから。

「哲也と一緒に海外旅行だなんて、何だか信じられないわ」

それは、新妻である亜依子の本音だった。

「随分待たせちゃったけど。今日から一緒にたっぷり楽しもう」

「うん」

「早くしたいな、亜依子と」

「もう、何言ってるの、哲也ってば」

混雑する通路の中、スーツケースを引いて歩きながら、亜依子は夫の言葉に顔を赤らめた。

しかし、亜依子も同じ気持ちだった。

結婚後、ずっと放っておかれた自分の躰が、すっかり乾ききってしまったような気がする。

亜依子は、新婚旅行の何日も前から、激しく昂っている自分を感じていた。

早くホテルで夫と二人きりになり、大胆に、激しく、愛し合いたい。

自分が経験したことのないような体位で、叫んでしまうくらいに。

「亜依子のその脚を見てると、そんなことも言いたくなるさ」

亜依子は出発のこの日、膝丈のスカートを選んでいた。

夫の前で少し大胆に振舞ってみたいという気分。

スカートからは、スリムな肢体にふさわしい美脚がすらりと伸びている。

「エッチなんだから、哲也」

両脚に注ぐ夫の視線に鼓動を高めながら、亜依子は腕時計を見た。

出発は午後5時の予定で、あと2時間少々だ。

「亜依子、チェックイン並ぶかもしれないから、急ごうか」

先を急ぐ夫が、通路の曲がり角の向こうに姿を消した。

「待ってよ、哲也」

夫を追って小走りに進もうとしたときだった。

亜依子は、コーナーを曲がったところで思わぬ衝撃に襲われた。

どうやら、反対側から来た誰かとスーツケース同士がぶつかってしまったらしい。
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