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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第20章 明子〜密室に通う妻
鼓動を高め、私はホテルスタッフの後を歩き続けました。

「このドアです」

彼が示したのは、コテージ裏側にある小さな入口でした。

息を殺しながら中に入ると、一人がやっと通れるほどの細い階段があります。

彼に続いて登り切ると、そこには息苦しさを感じるほどの狭い空間がありました。

「若いセラピストがここで勉強します」

片言の英語でそう説明した後、彼は私に壁のほうを示しました。

そこは一見ベランダのような構造ですが、大きなガラス窓が視界を遮るように設置されています。

ガラス窓は置かれていますが、ベランダ状のその場所は向こう側の空間と繋がっていることに、私はすぐに気づきました。

あのエキゾチックなお香の匂いが漂ってきたのです。

「向こう側からこちらは見えません」

階段付近に立ったままの私を置いて、彼は窓に近づいていきます。

窓の向こうを見下ろすように視線を注いだ後、彼は私に告げました。

「奥様がいますよ」

ここからは、スパルームを見下ろすような格好になるのでしょう。

高鳴る鼓動を感じながら、しかし私はすぐにそこを覗く勇気が出ませんでした。

何かを覗き見した経験など、過去に一度もありません。

どこか犯罪めいた香りがするそんな行為は、私には無縁だと思っていました。

そんな私に今、妻の姿を覗き見するという機会が転がり込んできたのです。

「お客様はここにいていいですよ」

彼はそう言うと、私をその場に残して静かに立ち去りました。

しばらくの間、私は動くことができませんでした。

覗き見といっても、マッサージを受けている妻を見つめるだけだ。

犯罪でもなんでもないじゃないか。

自らを正当化する科白が、私の脳裏に次々に浮かびます。

押し寄せる好奇心、そして妻への深い愛情には、やはり勝てません。

お香の香りが欲情を刺激するように漂ってきます。

私はそっと窓に近づき、息を呑んでその下に視線を注ぎました。

ベッドは私のすぐ下にありました。

純白のベッドに、妻がうつ伏せの格好で横たわっています。

明子・・・

トップスとショートパンツを脱ぎ去り、妻がビキニの水着姿であることに、私はすぐに気づきました。

えっ?

更に私の心を乱す事実がそこにはありました。

妻の背中、白い素肌にオイルを伸ばすセラピストは男性だったのです。
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