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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第22章 佳織〜夫の知らない妻
平坦な道のりが続き、二人は眺めを楽しみながら歩いた。

「佳織、評判通りこちらの方が景色はいいね」

真夏の太陽が変わらず照りつけている。

芳彦はペットボトルを取り出し、妻に渡した。

妻の肌に、少し汗が浮かんでいる。

スリムな体型を目立たせるようなデニムを身につけた妻が、心地よく冷水を飲む。

そんな何でもない妻の姿が、芳彦を妙に刺激した。

「佳織、行こうか」

午後2時を回り、風が僅かに強まった。

道は最初とは変わって、少しずつ険しく、急勾配な岩場になっていく。

下り道なだけに、かえって進みづらい。

「佳織、手を貸して」

二人はペースを落とし、ゆっくりと手を取り合いながら歩いた。

「あなた、大丈夫かしら。この道」

芳彦が抱き始めていた不安を見透かしたように、妻が言った。

「この先もかなり急な岩場が続くみたいよ」

立ち止まった芳彦は、妻が見つめる前方の登山道に視線を投げた。

妻が言う通り、この先もまだ当分は歩きづらい岩場が続くようだった。

「これだったら、来た道を素直に帰ればよかったな」

「あなた、今から戻れないかしら、頂上に」

芳彦もそれは考えていたが、時間、そして距離を考えれば現実的ではなかった。

「もう半分くらいは下りてきたんじゃないかな。佳織、もう少しだよ」

だが、そんな芳彦の言葉に水を差すように、二人にある音が届いた。

それは遠くの空からゴロゴロと聞こえる雷鳴のような響きだった。

佳織は不安そうな様子で夫の腕をとった。

「あなた・・・・」

「天気が崩れるかもしれない。急ごう、佳織」

いつの間にか、上空から青空と夏の日差しが消えている。

風が更に強まり、濃い灰色の雲が遠方からこちらに広がってくるのが見える。

二人は、日帰りの軽装でふもとの宿を出発してきた。

持参してきた荷物はごく僅かだ。

心なしか、妻の足取りが重くなったような気がする。

「佳織、頑張って。もうすぐふもとだよ」

少しずつ、雷鳴の音が近づいてくる。

二人は時折、岩場から足を踏み外しそうになりながら、先を急いだ。

「いけない、雨だ・・・・」

芳彦が首筋に水滴を感じたときだった。

立ち止まった妻が声をあげた。

「あなた、見て」

前方を見つめ、芳彦は思わず息を呑んだ。

二人が進んでいる岩場の道は、少し先で完全に途絶えていた。
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