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第3章 悦子～町内会慰安旅行での出来事

しばらくの間、悦子は平穏だった。

男たちがかなりきわどい戯れをする様子を、ただ無邪気に笑い、ビールを飲んだ。

「私、そろそろ失礼します・・・・」

そして午後11時をまわった頃、悦子が申し訳なさそうにそう言った。

「えっ、奥さん、帰っちゃうの？」

「残念だなあ」

男たちに続いて、加藤が言葉を発する。

「仕方ない。じゃあ、これが今夜の最後のゲームとしましょう」

そして、加藤がある提案をする。

一風変わったその案に、男たちは皆笑い、悦子は笑いながらも反発する。

「加藤さん、何ですか、それ！？」

「まあまあ悦子さん、単なる閉めのジョークですよ。これで皆さん、楽しく部屋に帰れるじゃないですか」

「でも、それって、無理です・・・・・・・」

「悦子さんが権利を得るかもしれないんですよ」

「結構です。私、勝っても放棄しますから」

「そうですね。行使する、しないは本人の自由ということで。さあ、やりましょう！」

そして、皆がカードをめくった。

男たちの、中でも加藤の願望が、最後にまた、現実となった。

「やだ・・・・・・・、そんな・・・・・・・・・」

カードを持ったまま、悦子が唇を噛んで座っている。

勝者となった加藤が、満足そうに笑みを浮かべる。

「悦子さん、わかりました、権利は放棄しますよ」

「加藤さん、ほんとですね？」

「でも、面白くないから、部屋のカギは開けておいてください」

「ええっ？・・・・・・・」

「刺激があったほうがいいですよ。最後の罰ゲームとしては」

男たちがうんうんと揃ってうなずく。

勝者が敗者に夜這いをする・・・・・・・・。

それが、最後の罰ゲームだ。

そこにいる皆が、加藤に夜這いされ、困惑する悦子の姿を想像している。