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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第23章 瑞季〜写真教室での出会い
「もう少しだけ一緒にいますか」

駅前の小さな広場にはまだ多くの人が行き交っている。

彼の言葉に、人妻ははっきりとうなずいた。

彼に誘われるまま、瑞季は駅とは反対方向に歩き始めた。

店を出る間際に重ねられた彼の手は、今、再び離れている。

もう一度、手を繋ぎたいのに・・・・

雑踏の中、自身が人妻であるという事実が瑞季に緊張を与えている。

「瀬田さん・・・」

「・・・」

「もう少し静かなところに・・・」

「同じことを思ってましたよ、瑞季さん」

言葉を交わすことなく、手を握り合うこともなく、二人はしばらく歩き続けた。

駅付近の喧騒が後方に遠ざかり、とある公園の入口がに近づいてくる。

日中は多くの人で賑わう市民の憩いの場だ。

だが、午後9時を回った今は闇に包まれ、人影がまばらに見えるだけだ。

「ここを歩きましょうか」

その誘いを受け入れることを伝えるように、瑞季は彼の腕を掴んだ。

彼に寄り添いながら、瑞季は静寂と闇が支配する公園の中に足を踏みいれた。

人妻の鼓動が高鳴っている。

夫とは別の男性と、ほのかな酔いに肢体を熱くさせて歩く自分。

いけない、こんなこと・・・・

そんな理性は、しかし、日常を一瞬でも忘れたいという欲情に押し流されていく。

彼の緊張が確かに伝わってくる。

「瀬田さん・・・」

沈黙に耐えきれない風に、瑞季は小さくささやいた。

それに答えることなく、彼はそのたくましい腕を人妻のくびれた腰に伸ばした。

あんっ・・・・

突然の彼の行為に戸惑いながらも、瑞季は更に濃厚に肢体を彼に密着させる。

彼の指先の感触が、人妻の腰から全身に拡散していく。

もうそれだけで、瑞季は立っていられないような気分に包まれてしまう。

「瀬田さん、私、もう・・・・」

公園の奥で、瑞季はすがるように彼の腰に腕を絡めた。

「瑞季さん、もう少し歩けますか」

薄闇の向こうに、小さな林がある。

木々を縫うように歩き、やがて二人は周囲の視線が届くことのない空間に辿り着いた。

薄闇の中で見つめ合い、何かを確かめ合うように互いの体を密着させる二人。

「瑞季さん・・・」

細身な人妻をきつく抱きしめ、彼は優しく彼女の唇を吸った。

「駄目っ・・・・」

欲情とは裏腹のささやきを漏らしながら、瑞季は彼のキスを素直に受け止めた。
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