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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第23章 瑞季〜写真教室での出会い
彼について、私はいったい何を知っているのだろう。

金曜日の午前。

人妻は電車の外を流れる景色を見つめながら、彼のことを考えていた。

瀬田さん、どうして・・・・

あの日以来、自分の前から姿を消してしまった彼を想う気持ちは高まる一方だった。

以前、一度だけ、彼の自宅の最寄駅について聞いたことがある。

そして、私は彼のLINEアカウントだって・・・・

シックなワンピースで細身の肢体を包んだ人妻が、密かに鼓動を高めている。

今夜、そして明日の夜も夫は帰ってこない。

この機会を逃したら、私は永遠に彼に会えない・・・・

自分に素直になるのよ・・・・

電車を乗り換え、やがて目指す駅が近づいてくる。

かすかな迷いを引きずったまま、人妻はその駅に降り立った。

だが、いったいどこに行ったらいいのだろう。

目的地を知らない迷い猫のように、瑞季はその場に立ち止まった。

既に正午を回っている。

人の流れに逆らわず歩いていくと、やがて駅に隣接するモールに足を踏み入れた。

そこで軽いランチを済ませた後、瑞季は駅前のカフェに入った。

ひとりぼっちの午後。

店の前を行き交う人を見つめながら、何かが起こることを望み続ける人妻。

時間が残酷に過ぎ去っていく。

何かが起こることはなかった。

夕方の気配が近づいてきた頃、瑞季はあきらめたようにカフェを出た。

どうするつもり・・・、家に帰る、それとも・・・・

駅前に立ちすくんだまま、人妻はスマホを見つめる。

カフェにいるとき、瑞季は彼にLINEメッセージを送った。

会えなくなってから初めて送ったメッセージ。

未読の状態が続くのを見るのが怖くて、今日まで送ることできなかった。

我慢しきれず、遂に送ったメッセージは、しかし既読にはなっていない。

「・・・・」

あの夜の記憶が、はかなく消えていこうとしている。

膝が震えてしまうほどの口づけ。

彼に抱きしめられ、快感を与えられた人妻の肉体が、熱く疼いている。

駄目・・・、もう帰るしか・・・・

「瑞季さん」

雑踏の中、瑞季はすぐに反応することができなかった。

「瑞季さん、じゃないですか」

「えっ?」

いつしか潤んでいる瞳で前方を見つめる。

買い物帰りといった雰囲気の瀬田が、以前と変わらぬ笑みを浮かべて立っていた。

瑞季は彼の胸に飛び込んだ。
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