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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第24章 志津〜人妻ランナーの秘密
10キロレースは午前9時にスタートした。

志津と同じように、女性ランナーの姿も目立つ。

「いい天気ですね」

初対面のランナー同士が、スタート地点で挨拶を交わし合う。

「楽しく走ろうっと」

快晴の空の下、志津はどこか高揚する気分を抱えながら、走り始めた。

1時間を切りたいという目標はあるが、まずは楽しむことだ。

少し走れば、自然豊かな田舎の風景がランナーを歓迎してくれた。

緩やかに流れる小川の向こうに、収穫を終えたばかりの田園が広がっている。

「ああっ、気持ちいい」

どういうわけか、今日はいつも以上に体が軽い。

昨夜、あんなに眠れなかったのに・・・

志津は思わず笑みを浮かべた。

エレベーターで彼に抱きしめられ、唇を奪われた記憶が脳裏に浮かぶ。

だが、それはランの妨げになることはなかった。

むしろ、佐野と再会した事実は、人妻を刺激し、軽快な走りに導いているようだ。

彼のキスを受け止め、唇を自分から欲しがるように吸った自分。

長い間、夫に抱かれていない乾いた肉体が、昨夜、覚醒したかのように・・・

「駄目っ、変なことを考えちゃ・・・」

自らを律するようにそうささやき、志津はしっかりと前を見つめる。

3キロを過ぎたあたりから、完全にペースをつかみ、安定した走りに入った。

「いつもより速いわ」

折り返し地点で腕時計を見つめ、志津は意識的にペースをあげた。

今日の調子なら、1時間切れるかも・・・・

「頑張って」

沿道にいる地元の人たちが、ランナーたちを応援してくれる。

「ありがとうございます」

笑顔で応えながら、志津は次第に心地良くなっていく肉体を感じていた。

うっすらと肌に浮かぶ汗が、人妻の白い肌を濡らしていく。

日常を忘れ、ただ躰が望むまま、素直な自分になることができる。

それこそが、志津が走る理由だった。

そして、この日の人妻の肉体は、彼女も気付かぬうちに何かを強く欲していた。

「あと2キロね・・・」

僅かに乱れ始めた息、そしてシャツを濡らす汗が、人妻の色気を増していく。

まだ体は軽い。

いけるかも・・・・

志津がそう確信した時だった。

「志津さん、頑張って!」

ハーフを走り終えたばかりの佐野が、笑顔で沿道に立っている。

「佐野さん・・・」

思わず顔を赤らめ、志津は彼が待つゴールを目指した。
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