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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第26章 遥〜夫の弟に求められて
バスタブに裸体を沈めたまま、人妻は折り戸を見つめた。

向こう側に誰かが立っている。

少し迷った後、遥は思い切って声を発した。

「何してるの、智史さん?」

「・・・」

「嫌だわ・・・。ねえ、早く出ていって」

その言葉には、義弟を責める感情が色濃く漂っている。

「義姉さん・・・」

正体を明かすように、彼が口を開いた。

「中に入っていいかな」

彼の言葉に、人妻はバスタブの中で乳房を隠すように腕を交錯させた。

「駄目に決まってるでしょう、そんなこと」

「我慢できないんだ」

彼の手が折り戸に伸びる。

「智史さん・・・、ねえ、主人に言いつけるわよ」

思わず口走ったその言葉に、彼が少し怯んだことが人妻にわかった。

「主人に全部話すわ」

「・・・」

「あなた、私のクローゼットに忍び込んだでしょう」

「義姉さん・・・」

「犯罪者のように、私の下着をあさったりして」

「・・・」

「そのことも主人に言うから、私」

隠していた困惑を一気に吐き出すように、遥はきつい調子で言った。

義姉の強い態度が、バスルームの雰囲気を一変させる。

「わかったよ」

「・・・」

「どうかしてたんだ・・・。ごめん、変なこと考えてしまって」

「智史さん・・・」

「義姉さん、もう僕には構わなくていいから」

「・・・」

「できり限り早く、この家から出ていくよ」

それだけ言い残すと、智史は足早に脱衣所から立ち去ろうとする。

「智史さん・・・、ちょっと待って」

自分の態度を後悔するかのように、人妻が叫んだ。

だが、立ち止まることなく、彼はそこから姿を消した。

何もあんな言い方しなくたって・・・。

犯罪者とまで言ってしまった自分。

彼の要求に応えることはできない。

でも、彼を救うために、何か私にできることはあるはず。

智史さん、私のあんな態度がショックだったに違いないわ・・・。

その夜、遥はベッドの上でそんなことを考え続けた。

隣の部屋で彼が動く気配はない。

浴室での出来事を忘れようと、遥は闇に包まれた寝室で無理に目を閉じる。

だが、眠気が訪れるどころか、後悔の感情が一層深く包み込んでくるだけだった。

妻の葬儀で、憔悴しきっていた彼の姿が心によぎる。

「このままじゃ眠れないわ・・・」

パジャマ姿のまま、遥はベッドから肢体を起こした。
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