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インペイシェント
第21章 欲情
遼次は両膝の上の圭子の両手を、軽くさすりかがら、圭子が落ち着くのを待っていた。

「遼ちゃん…」

圭子はボソッと呟きながら、顔を上げて遼次と視線を合わせた。

汗で濡れた圭子の頬に、乱れ髪が貼り付いていた。

乱れた髪の圭子など、一度も見たことがない遼次は、それだけでも興奮した。

下から見上げた圭子が、可愛くて仕方がなかった。

涙を貯えたような瞳と、それにも負けないくらいにキラキラした唇が、遼次を高ぶらせた。

「交代…」

圭子がそう言ったのを、遼次は確かに聞いた。

それでも、何の事か理解できずに、

「なに?」

と、遼次は聞き返した。

圭子は黙って遼次を見つめながら、膝の上の両手を動かし始めた。

遼次の太ももをさするように、ゆっくりと股の方へ手を滑らせて、両脚の内股を撫で上がって来た。
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