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梨華との秘密
第11章 双華繚乱
 梨華の中に思ってもいなかった衝撃が走るのが見えた。
 暫く考え込むように、梨華の言葉が途切れた。


「うん、そういうことやわ。良いのかい、修学旅行やプールで一緒にみんなと入りたいやろ?それでもって、言うんなら、パパは構わないけどね?今晩見てから、決めれば良いんと違うかな?」


「あの、今晩て、ママとお姉さんのを見てってこと?」


 梨華の言葉に躊躇いと迷いを感じたが、


「うん、それからゆっくりでいいよ。身体に残るからね。それに、急がなくても時期がくれば、梨華に聞くからね。それからで構わないよ。」


「つまり、あの、下の毛をってこと?それとも、刺青とか?」


 あらら、直球を投げてきたなあ、どう答えるかな?


「うん、その下の毛を剃るんや。刺青にするか、どうかはママ達しだいかな。ゆっくり考えるんだよ、梨華。」


 どうでるかな?
 気にしながら、彼女の様子を見ていると、少し予想を外した答えが返ってきた。


「下の毛、まだ剃られたくないかな?けど、剃られたいのもあるんよね。でも、、。」


 それを聞いて、俺は手の事をきくことにした。


「そうなんだ。ホンなら、身体に痕が残るから、高校卒業するまで我慢しなさいな。痕が残るっていやあ、手首に痣みたいのが残ってたね。喧嘩かい?梨華は可愛いから、ヤキモチ妬かれたかな?」


 我ながらアホな聞き方をしているなと思ったが、梨華は迷っているようなそぶりを見せたが、


「やっぱりパパね。気がついてたんだ。喧嘩って言いたいけど、少し違うんだなぁ。」


「ふうん、てことは、イジメみたいなヤツかい?」


 俺の言葉に顔がパッと明るくなったように見えた。


「うん、実は、そうなんやわ。言葉が違うし、みたいな感じから、やられだしたの。クラブもドロップアウトしたし。」


 思ったより重傷かな。


「ふうん、ほんなら、仕返しはしたいかい?気になってな。」


「仕返し、したいかな。このままは、ちょっといややわ。パパが守ってくれるってのは、無理でしょ。」


 来たぞ、どうすべえ。


「守ってやれんこともないけど、手助けはしてやれるかな。」


「それって、学校来てやっつけてくれるってこと?違うわね。」


「それもあるけど、梨華、空手やれへんか?身を守るのにな。簡単なやつで、効果的なの教えてやるわ。どう?」
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